2―41腰下肢痛に対する鍼灸療法の効果

腰下肢痛はペインクリニック領域でしばしば遭遇する痛みである. ペインクリニック外来では神経ブロック療法が中心に行われているが, 全身状態に問題がある, 抗凝固療法を行っているなどの理由で逡巡することもある. このような状況の下では他の理学療法的治療法と並んで鍼灸療法は一考に価する. しかしながら鍼灸療法は東洋医学的概念に基づいた治療法であり, 西洋医学しか学んでこなかった医師には行いにくく, また鍼灸療法自体にもさまざまな流派があり施術者の技量によって効果が分かれるなど評価しにくい欠点がある. 今回我々は鍼灸治療の一型であるCraigPENS法を用いて腰下肢痛の治療を試みた. 本法は鍼灸治療で...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2002, Vol.9 (3), p.280-280
Hauptverfasser: 齊藤千恵, 早川恵司, 高橋秀則, 森田茂穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腰下肢痛はペインクリニック領域でしばしば遭遇する痛みである. ペインクリニック外来では神経ブロック療法が中心に行われているが, 全身状態に問題がある, 抗凝固療法を行っているなどの理由で逡巡することもある. このような状況の下では他の理学療法的治療法と並んで鍼灸療法は一考に価する. しかしながら鍼灸療法は東洋医学的概念に基づいた治療法であり, 西洋医学しか学んでこなかった医師には行いにくく, また鍼灸療法自体にもさまざまな流派があり施術者の技量によって効果が分かれるなど評価しにくい欠点がある. 今回我々は鍼灸治療の一型であるCraigPENS法を用いて腰下肢痛の治療を試みた. 本法は鍼灸治療であるが, 経絡などの東洋医学的概念は最小限にしか取り入れられておらず, 施行者によって効果にあまりばらつきがないと言われている. 対象は17歳から81歳の男女8名であり, 胸椎下部から腰椎, 仙椎に沿って鍼をうち, 留置した鍼を通じて2.5~4ヘルツ, 20分の電気刺激を行った. 治療直後及びに治療後一日経った時点で効果を判定したところ, 約半数に有効との結果を得た. この結果に若干の考察を加え本法の有用性について議論したい.
ISSN:1340-4903