虫垂切除術後に右大腿神経麻痺をきたした1例

41歳, 女性の脊椎麻酔下にて虫垂切除術後, 右大腿神経麻痩がみられた. その原因は右大腿神経が開創鈎により圧迫されたためと考えられた. 腰椎34間から脊髄クモ膜下腔を穿刺(22G針)し, 0. 5%高比重ブピバカイン3. OmlでT8以下の痛覚消失を確認した. 手術開始2時間15分後に手術の延長のため, 酸素, 亜酸化窒素, セボフルランによる全身麻酔に移行した. 患者は手術翌日より右大腿から下腿内側にかけてのしびれ感と歩行困難を訴え, 麻酔科にコンサルテーションがなされた臨床所見神経学的検査, 手術所見, MRI検査, 筋電図から大腿神経麻痺と診断し, 薬物療法とリハビリテーションを開始し...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2002, Vol.9 (2), p.74-76
Hauptverfasser: 西木戸修, 舘田武志, 岡本康朗, 宮沢章子, 山中郁男
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:41歳, 女性の脊椎麻酔下にて虫垂切除術後, 右大腿神経麻痩がみられた. その原因は右大腿神経が開創鈎により圧迫されたためと考えられた. 腰椎34間から脊髄クモ膜下腔を穿刺(22G針)し, 0. 5%高比重ブピバカイン3. OmlでT8以下の痛覚消失を確認した. 手術開始2時間15分後に手術の延長のため, 酸素, 亜酸化窒素, セボフルランによる全身麻酔に移行した. 患者は手術翌日より右大腿から下腿内側にかけてのしびれ感と歩行困難を訴え, 麻酔科にコンサルテーションがなされた臨床所見神経学的検査, 手術所見, MRI検査, 筋電図から大腿神経麻痺と診断し, 薬物療法とリハビリテーションを開始した. 術後12日目に筋力低下は回復し, 感覚低下と感覚異常の範囲は徐々に縮小し術後44日目にほぼ消失した. このような術後神経障害に対処するには, 脊椎麻酔による神経障害との鑑別が重要である.
ISSN:1340-4903
DOI:10.11321/jjspc1994.9.2_74