星状神経節ブロックが有効だった進行性顔面半側萎縮症の1例

進行性顔面半側萎縮症は顔面の半側が異常な進行性萎縮をきたす病的状態であり, 同側の顔面痛や偏頭痛を伴うこともある. 本症の成因は不明で治療法も確立されていないが, 従来より自律神経異常特に頚部交感神経節の慢性刺激説が重要視されており, 同神経節切除が有効であったという報告もある. 今回本症に対し, 星状神経ブロックが有効であったので報告する. 症例は30歳女性. 17歳より右顔面及び右肩甲部の萎縮に気付き, 24歳頃より右顔面痛及び右肩部痛出現した. 1997年5月21日当院神経内科受診. 初診時右顔面右肩甲部の萎縮, 右顔面筋右僧帽筋の筋力低下があり進行性顔面半側萎縮症と診断された. 同年1...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1998, Vol.5 (3), p.349-349
Hauptverfasser: 大塚康久, 立山俊朗, 横山知子, 葛川顕子, 持田奈緒美, 長沼芳和, 大瀬戸清茂, 塩谷正弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:進行性顔面半側萎縮症は顔面の半側が異常な進行性萎縮をきたす病的状態であり, 同側の顔面痛や偏頭痛を伴うこともある. 本症の成因は不明で治療法も確立されていないが, 従来より自律神経異常特に頚部交感神経節の慢性刺激説が重要視されており, 同神経節切除が有効であったという報告もある. 今回本症に対し, 星状神経ブロックが有効であったので報告する. 症例は30歳女性. 17歳より右顔面及び右肩甲部の萎縮に気付き, 24歳頃より右顔面痛及び右肩部痛出現した. 1997年5月21日当院神経内科受診. 初診時右顔面右肩甲部の萎縮, 右顔面筋右僧帽筋の筋力低下があり進行性顔面半側萎縮症と診断された. 同年10月29日当科紹介受診. サーモグラフィーにて右肩部の温度低下がみられた. 同日より外来で週1回星状神経節ブロックを施行したところ右顔面痛右肩部痛は消失した. 現在のところ顔面の萎縮状態の改善は外見上見られないが, 本症の病因が頸部交感神経節の慢性刺激であるとすれば, 星状神経節ブロックは有効な治療法と考えられ, さらに長期の観察が必要である.
ISSN:1340-4903