術後疼痛管理の必要な期間の検討

術後疼痛管理は周術期を管理している麻酔科医・外科医にとって重要な問題であり, 十分な術後鎮痛を得ることで, 術後の肺合併症の予防, 早期離床などが可能である. 宮城県立がんセンター麻酔科では術後疼痛対策として胸・腹部手術には硬膜外持続鎮痛法を, 耳鼻科手術にはモルヒネ持続静注法を用いている. がんセンターという性格上侵襲の大きい手術が多いが, 疼痛管理の必要な期間の報告が少ないこともあり, その検討を試みた. 1995年1月から1996年12月までの2年間における外科・呼吸器外科・婦人科・泌尿器科の硬膜外持続鎮痛群(硬膜群)831人と耳鼻科のモルヒネ持続静注群(静注群)143人の手術患者, 計...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1997, Vol.4 (3), p.178-178
Hauptverfasser: 安藤泰志, 村上憲孝, 佐々木規喜, 山室 誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:術後疼痛管理は周術期を管理している麻酔科医・外科医にとって重要な問題であり, 十分な術後鎮痛を得ることで, 術後の肺合併症の予防, 早期離床などが可能である. 宮城県立がんセンター麻酔科では術後疼痛対策として胸・腹部手術には硬膜外持続鎮痛法を, 耳鼻科手術にはモルヒネ持続静注法を用いている. がんセンターという性格上侵襲の大きい手術が多いが, 疼痛管理の必要な期間の報告が少ないこともあり, その検討を試みた. 1995年1月から1996年12月までの2年間における外科・呼吸器外科・婦人科・泌尿器科の硬膜外持続鎮痛群(硬膜群)831人と耳鼻科のモルヒネ持続静注群(静注群)143人の手術患者, 計974人を対象とした. 術後最低1日3回は回診をし, 安静時痛なし・体動時痛少しの状態を維持出来るようにモルヒネ量を調整した. モルヒネ必要量が硬膜群は1mg/日, 静注群は10mg/日になったところで一且持続を止め, NSAIDsで鎮痛の得られる時点を術後疼痛管理の終了とした. 疼痛管理の必要な期間は硬膜群の胸部で8.8日, 上腹部で9.4日, 下腹部で7.4日, 静注群は5.9日であった. 術後疼痛管理は硬膜群では少なくとも1週間は必要であり, 静注群で約6日必要であると考えられた.
ISSN:1340-4903