口腔内疼痛症に対する星状神経節ブロックと向精神薬の併用療法

口腔内, とくに舌および口蓋部に難治性の疼痛を訴えた2症例の治療を行なった. ともに過去に口腔内に器質的な疾患が存在し, それらが誘因となったと考えられたが, 直接的な病変は認められなかった. 疼痛優位側への星状神経節ブロックを施行するとともに, フルフェナジン, アミトリプチリン, ロラゼパムの投与を続けたところ疼痛の軽減を得ることができた. しかし, これらの治療を中断すると疼痛は再び増悪をきたした. 治療を再開することによって疼痛は軽減したため, 1例は20ヵ月間, 他の1例は9ヵ月間上記の治療を現在まで続けている. 明らかな病変を伴わない口腔内疼痛症では心身症的な要素が加わっていると考...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1996-10, Vol.3 (4), p.427-431
Hauptverfasser: 東澤知輝, 河田圭司, 泉 貴文, 古賀義久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔内, とくに舌および口蓋部に難治性の疼痛を訴えた2症例の治療を行なった. ともに過去に口腔内に器質的な疾患が存在し, それらが誘因となったと考えられたが, 直接的な病変は認められなかった. 疼痛優位側への星状神経節ブロックを施行するとともに, フルフェナジン, アミトリプチリン, ロラゼパムの投与を続けたところ疼痛の軽減を得ることができた. しかし, これらの治療を中断すると疼痛は再び増悪をきたした. 治療を再開することによって疼痛は軽減したため, 1例は20ヵ月間, 他の1例は9ヵ月間上記の治療を現在まで続けている. 明らかな病変を伴わない口腔内疼痛症では心身症的な要素が加わっていると考えられ, これらに対する治療として, 星状神経節ブロックと向精神薬の併用療法が有用であると思われた.
ISSN:1340-4903
DOI:10.11321/jjspc1994.3.4_427