持続硬膜外ブロック中に歩行障害をきたした上肢RSDの一症例
今回我々は, 硬膜外カテーテル留置中に四肢筋力低下, 歩行障害をきたし, 同時に疼痛の緩和をみた上肢RSDの症例を経験したので報告する. 症例は61才男性. 慢性腎不全のため左手関節および肘関節部にシャント作成術を受け, 以降左上肢に腫張を伴った疼痛が出現した. RSDの診断にて星状神経節ブロック, 腕神経叢ブロックを施行したが効果は一時的であった. C_7 /Th_1 より硬膜外カテーテルを挿入, 1%メピバカイン3mlのtestdoseにてC_5 ~C_7 レベルに知覚低下が限局していることを確認後PCAポンプを接続, 1%メピバカイン1.5ml/hr注入にて疼痛管理を開始した. 硬膜外カ...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1996, Vol.3 (3), p.129-129 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回我々は, 硬膜外カテーテル留置中に四肢筋力低下, 歩行障害をきたし, 同時に疼痛の緩和をみた上肢RSDの症例を経験したので報告する. 症例は61才男性. 慢性腎不全のため左手関節および肘関節部にシャント作成術を受け, 以降左上肢に腫張を伴った疼痛が出現した. RSDの診断にて星状神経節ブロック, 腕神経叢ブロックを施行したが効果は一時的であった. C_7 /Th_1 より硬膜外カテーテルを挿入, 1%メピバカイン3mlのtestdoseにてC_5 ~C_7 レベルに知覚低下が限局していることを確認後PCAポンプを接続, 1%メピバカイン1.5ml/hr注入にて疼痛管理を開始した. 硬膜外カテーテル挿入翌日より患者の疼痛の訴えが全くなくなり, ふらつき出現した. 翌々日には四肢筋力低下出現し, 歩行困難となった. 1%メピバカイン持続注入を0.4ml/hrまで減少したが患者の疼痛の訴えはなく, この時点で知覚低下がC_5 ~Th_3 に及んでいることが判明した. カテーテルより造影したところ, 硬膜下腔造影の所見が確認された. カテーテル抜去後も患者は3日間疼痛を訴えず, その後は退院して外来通院できるまでに回復した. 本症例は上肢を支配する感覚, 運動, 交感神経が硬膜下ブロックによって遮断されたために疼痛が緩和されたと考えられる. 歩行障害を起こした原因, および硬膜外ブロックの合併症としての硬膜下ブロックについて, 若干の考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1340-4903 |