心原性脳塞栓症を発症した出血リスクの高い発作性心房細動患者に対して小開胸下左心耳閉鎖術を施行した1例

症例は心房細動の既往のある48歳男性.突然の構音障害,左上肢麻痺を発症し,心原性脳塞栓症と診断された.ダビガトランの内服を開始したが,脳出血を合併したため休薬となった.脳梗塞および脳出血のリスクが高い状態(CHA2DS2-VAScスコア3点,HAS-BLEDスコア3点)であり,今後の心原性脳塞栓症予防のために外科的左心耳マネジメント目的で当科紹介となった.手術はAtriClipによる小開胸下左心耳閉鎖術を施行した.周術期合併症なく術後4日で退院.術後3カ月間は抗凝固療法を併用し,心臓CT検査にて良好な左心耳閉鎖が得られていることが確認でき抗凝固療法から離脱した.脳梗塞の再発なく半年を経過してい...

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Veröffentlicht in:心臓 2022/05/15, Vol.54(5), pp.605-610
Hauptverfasser: 山田, 亮太郎, 吉本, 明浩, 西, 智史, 有馬, 大輔, 倉橋, 果南, 中野, 優, 末松, 義弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は心房細動の既往のある48歳男性.突然の構音障害,左上肢麻痺を発症し,心原性脳塞栓症と診断された.ダビガトランの内服を開始したが,脳出血を合併したため休薬となった.脳梗塞および脳出血のリスクが高い状態(CHA2DS2-VAScスコア3点,HAS-BLEDスコア3点)であり,今後の心原性脳塞栓症予防のために外科的左心耳マネジメント目的で当科紹介となった.手術はAtriClipによる小開胸下左心耳閉鎖術を施行した.周術期合併症なく術後4日で退院.術後3カ月間は抗凝固療法を併用し,心臓CT検査にて良好な左心耳閉鎖が得られていることが確認でき抗凝固療法から離脱した.脳梗塞の再発なく半年を経過している.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.54.605