4. 大動脈解離の外科治療

「はじめに」大動脈解離(AD, aortic dissection)は, 急性大動脈症候群(AAS, acute aortic syndrome)の主病態を占め, 突然に発症し死に至らしめる極めて重篤な救急循環器疾患である. 大動脈壁が何らかの原因で脆弱化した変性中膜レベルで, 内膜裂孔(tear, エントリー)からの流入血流により2層に剥離し, 長軸方向にある長さをもって剥離し2腔になった状態をいう. その結果, 剥離した解離フラップにより隔てられた真腔(TL, true lumen)と偽腔(FL, false lumen)の2腔の状態となる. 臨床的に発症直後から動的な病態を呈し, 破裂・...

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Veröffentlicht in:心臓 2021-04, Vol.53 (4), p.334-337
1. Verfasser: 荻野均
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」大動脈解離(AD, aortic dissection)は, 急性大動脈症候群(AAS, acute aortic syndrome)の主病態を占め, 突然に発症し死に至らしめる極めて重篤な救急循環器疾患である. 大動脈壁が何らかの原因で脆弱化した変性中膜レベルで, 内膜裂孔(tear, エントリー)からの流入血流により2層に剥離し, 長軸方向にある長さをもって剥離し2腔になった状態をいう. その結果, 剥離した解離フラップにより隔てられた真腔(TL, true lumen)と偽腔(FL, false lumen)の2腔の状態となる. 臨床的に発症直後から動的な病態を呈し, 破裂・出血と分枝灌流障害(malperfusion)に大別される様々な合併症(続発症)を併発し, 急性期の死亡率は極めて高い.
ISSN:0586-4488