肺動脈弁に孤発した口腔内連鎖球菌による感染性心内膜炎の1例
症例は80歳男性.62歳時に閉塞性肥大型心筋症に対して中隔心筋切除および僧帽弁置換術(機械弁)を施行され,以後当院に通院中であった.1カ月前からの全身倦怠感を主訴に当院を受診した.発熱や新規の心雑音は認めず,身体所見に新たな異常所見はなかった.炎症反応高値(CRP 12.0 mg/dL)であり,経胸壁心エコー検査で肺動脈弁に付着する9 mm×14 mmの異常構造物と肺動脈弁逆流を認め,精査加療目的で入院となった.入院時に採取した血液培養2セットで採取後24時間以内にStreptococcus parasanguinisが陽性となり,修正Duke診断基準の大項目2つを満たし,肺動脈弁の感染性心内...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2019/07/15, Vol.51(7), pp.713-719 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は80歳男性.62歳時に閉塞性肥大型心筋症に対して中隔心筋切除および僧帽弁置換術(機械弁)を施行され,以後当院に通院中であった.1カ月前からの全身倦怠感を主訴に当院を受診した.発熱や新規の心雑音は認めず,身体所見に新たな異常所見はなかった.炎症反応高値(CRP 12.0 mg/dL)であり,経胸壁心エコー検査で肺動脈弁に付着する9 mm×14 mmの異常構造物と肺動脈弁逆流を認め,精査加療目的で入院となった.入院時に採取した血液培養2セットで採取後24時間以内にStreptococcus parasanguinisが陽性となり,修正Duke診断基準の大項目2つを満たし,肺動脈弁の感染性心内膜炎の診断となった.経食道心エコー検査で,僧帽弁位の機械弁を含めてその他の弁に疣腫を認めなかった.肺動脈弁に孤発した感染性心内膜炎と判断し,ペニシリンG 1200万単位/日,ゲンタマイシン50 mg/日の投与を開始した.抗菌薬治療により血液培養は陰性化,炎症反応も改善し,第47病日に退院となった.退院49日後の経胸壁心エコー検査で疣腫の退縮を認めた.肺動脈弁に孤発した感染性心内膜炎は薬物中毒や長期カテーテル留置患者に多いとされているが,本症例では明らかな誘因は認められなかった.肺動脈弁に孤発した感染性心内膜炎は非常に稀であるとされ,今回文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.51.713 |