アトピー性皮膚炎による孤立性三尖弁位感染性心内膜炎

症例は33歳の男性で,無治療のアトピー性皮膚炎があった.2015年7月に39℃の発熱を認めたため,当院内科外来を受診した.採血で炎症反応が高値であったがfocusが不明であったため,経過観察となった.その後も解熱しないため近医を受診し,CT上,両肺に多発する浸潤影を認めたため当院紹介となり,敗血症性肺塞栓症の疑いで呼吸器内科に入院となった.血液培養を施行した後,抗生剤による治療を開始したが,間歇的な発熱が持続し,感染性心内膜炎の可能性も考慮して入院時に心エコーも施行したが,疣腫らしきものは認めなかった.入院3日目に,血培から黄色ブドウ球菌が検出されたことが判明し,心エコーを再検したところ,三尖...

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Veröffentlicht in:心臓 2018/11/15, Vol.50(11), pp.1251-1255
Hauptverfasser: 野村, 亜南, 茂木, 健司, 櫻井, 学, 坂田, 朋基, 金行, 大介, 高原, 善治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は33歳の男性で,無治療のアトピー性皮膚炎があった.2015年7月に39℃の発熱を認めたため,当院内科外来を受診した.採血で炎症反応が高値であったがfocusが不明であったため,経過観察となった.その後も解熱しないため近医を受診し,CT上,両肺に多発する浸潤影を認めたため当院紹介となり,敗血症性肺塞栓症の疑いで呼吸器内科に入院となった.血液培養を施行した後,抗生剤による治療を開始したが,間歇的な発熱が持続し,感染性心内膜炎の可能性も考慮して入院時に心エコーも施行したが,疣腫らしきものは認めなかった.入院3日目に,血培から黄色ブドウ球菌が検出されたことが判明し,心エコーを再検したところ,三尖弁に入院時には認められなかった20 mm大の疣腫が認められたため,緊急手術の方針となった.三尖弁後尖に20 mm大の疣腫を認め,前尖と中隔尖にも小さい疣腫を認めた.後尖をできるだけ温存する形で疣腫を切除し,DeVega法で弁輪縫縮した.卵円孔開存も認めたため5-0 proleneで縫合閉鎖した.術後経過は順調で,第22病日に退院となり,現在も定期的に外来でフォローしているが,感染性心内膜炎の再発や三尖弁閉鎖不全症の増悪はみられていない.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.1251