主要体肺動脈側副血行路を伴う心室中隔欠損+肺動脈閉鎖を認めた非手術成人の1例
症例は51歳,男性.6歳時に心疾患の指摘があり,学童期より激しい運動時にチアノーゼを認めることがあったが経過観察をしていた.数日前より咳嗽,発熱,呼吸困難が出現し,近医を受診したところ著明な低酸素血症を認め,胸部X線,CT検査より肺炎および心不全が疑われ同院に緊急入院した.心エコーを行ったところ心室中隔欠損(VSD)+肺動脈閉鎖(PA)が認められ,体外式膜型人工肺(ECMO)で呼吸管理の下,精査治療を目的に当院へ搬送された.集中治療室にて集学的治療を行い,心不全および呼吸不全は順調に改善した.造影CTでは下行大動脈より右へ3本,左へ1本の主要体肺動脈側副血行路(MAPCAs)が認められ,心臓カ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 心臓 2017/12/15, Vol.49(12), pp.1261-1266 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は51歳,男性.6歳時に心疾患の指摘があり,学童期より激しい運動時にチアノーゼを認めることがあったが経過観察をしていた.数日前より咳嗽,発熱,呼吸困難が出現し,近医を受診したところ著明な低酸素血症を認め,胸部X線,CT検査より肺炎および心不全が疑われ同院に緊急入院した.心エコーを行ったところ心室中隔欠損(VSD)+肺動脈閉鎖(PA)が認められ,体外式膜型人工肺(ECMO)で呼吸管理の下,精査治療を目的に当院へ搬送された.集中治療室にて集学的治療を行い,心不全および呼吸不全は順調に改善した.造影CTでは下行大動脈より右へ3本,左へ1本の主要体肺動脈側副血行路(MAPCAs)が認められ,心臓カテーテル検査にて圧測定を行ったところ,右中MAPCAの平均圧は36 mmHg,左MAPCAおよび右上と右下MAPCAは平均圧で28~29 mmHgであった.本症例におけるMAPCAの外科的統合は解剖学的に困難であり,また患者は手術を希望されず,在宅酸素療法を導入したところ症状の改善を認めたため,外来で経過観察する方針となった.MAPCAsを伴ったVSD+PAの非手術成人例は稀であり報告する. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.49.1261 |