心筋緻密化障害
「はじめに」心筋緻密化障害(noncompaction of ventricular myocardium)は, 心室壁の過剰な網目状の肉柱形成と深い間隙を形態的特徴とする心筋症で, 最近のAHA分類では, 遺伝的要素の強いprimary cardiomyopathyの1つとして分類されている. 胎児心筋が緻密な心筋構造になっていく過程が障害され, スポンジ状の胎児心筋が遺残し, 逆に, 心筋緻密層が低形成で心機能低下が起こると仮説されている. 典型例は, 新生児期に心不全のため死亡し, 心移植の対象になっている疾患であるが, 近年, 年長児や成人の報告例も見られるようになり, それほど稀では...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2014-08, Vol.46 (8), p.1177-1184 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」心筋緻密化障害(noncompaction of ventricular myocardium)は, 心室壁の過剰な網目状の肉柱形成と深い間隙を形態的特徴とする心筋症で, 最近のAHA分類では, 遺伝的要素の強いprimary cardiomyopathyの1つとして分類されている. 胎児心筋が緻密な心筋構造になっていく過程が障害され, スポンジ状の胎児心筋が遺残し, 逆に, 心筋緻密層が低形成で心機能低下が起こると仮説されている. 典型例は, 新生児期に心不全のため死亡し, 心移植の対象になっている疾患であるが, 近年, 年長児や成人の報告例も見られるようになり, それほど稀ではないことがわかり, 新たに注目されている疾患である. 著者らは, 1996年に孤立性心筋緻密化障害の兄弟例を報告し, さらに全国調査を行い, 本邦におけるこの疾患の臨床的特徴と遺伝学的多様性を明らかにした. |
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ISSN: | 0586-4488 |