A-15. 慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症とHLAについて

「はじめに」慢性血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)の原因は, 深部静脈血栓症(Deep vein thrombosis:DVT)に起因すると考えられているが, その頻度は, 約半数にすぎない. 加えて, わが国ではその発症素因が欧米例とは異なる可能性も考えられる. その理由としては, 第一に欧米に比して女性に多いことがあげられる. 欧米では, 急性例の再発例は男性に多いことが報告されていることから, わが国のCTEPHが急性例とその発症機序が異なることも示唆される. また日本における肺血栓塞栓症は増加傾...

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Veröffentlicht in:心臓 2014, Vol.46(7), pp.986-989
Hauptverfasser: 田邉, 信宏, 重田, 文子, 杉浦, 寿彦, 重城, 喬行, 坂尾, 誠一郎, 笠原, 靖紀, 巽, 浩一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」慢性血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)の原因は, 深部静脈血栓症(Deep vein thrombosis:DVT)に起因すると考えられているが, その頻度は, 約半数にすぎない. 加えて, わが国ではその発症素因が欧米例とは異なる可能性も考えられる. その理由としては, 第一に欧米に比して女性に多いことがあげられる. 欧米では, 急性例の再発例は男性に多いことが報告されていることから, わが国のCTEPHが急性例とその発症機序が異なることも示唆される. また日本における肺血栓塞栓症は増加傾向にあるものの, 2006年の調査でも推定7,864名に過ぎず, 欧米の630,000名に比して極めて少ない. 一方, 2011年度の本症の治療給付対象者は1,810名で, 年間約220名の新規登録例がみられことから, 慢性例の頻度が高いことも推察される.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.986