家族歴が糸口となった心ファブリー病の1例

症例は52歳女性. 関節リウマチで通院加療中であった. 40歳時の健診以来, 心電図で左室肥大を指摘されていた. ファブリー病の濃厚な家族歴 (祖母, 母, 叔父, 妹, 母の従妹, 母の従弟) を有するため, 白血球中α-ガラクトシダーゼA (GLA) 酵素活性を測定したところ, 残存酵素活性は低値であり, また, 心エコー検査では中隔壁厚13mmと非対称性左室肥大が認められ, 心臓MRIの造影遅延像で側壁に濃染域が認められた. 心内膜心筋生検の心筋サンプルの光顕像では, 心筋細胞の細胞質に高度の空胞変性を認め, 電顕像ではセラミドトリヘキソシドの沈着による年輪状, 層状の封入体を認めた....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2014, Vol.46(6), pp.749-756
Hauptverfasser: 藤田, 修一, 小林, 正久, 寺﨑, 文生, 西田, 裕介, 伊藤, 隆英, 森田, 英晃, 宗宮, 浩一, 星賀, 正明, 石坂, 信和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は52歳女性. 関節リウマチで通院加療中であった. 40歳時の健診以来, 心電図で左室肥大を指摘されていた. ファブリー病の濃厚な家族歴 (祖母, 母, 叔父, 妹, 母の従妹, 母の従弟) を有するため, 白血球中α-ガラクトシダーゼA (GLA) 酵素活性を測定したところ, 残存酵素活性は低値であり, また, 心エコー検査では中隔壁厚13mmと非対称性左室肥大が認められ, 心臓MRIの造影遅延像で側壁に濃染域が認められた. 心内膜心筋生検の心筋サンプルの光顕像では, 心筋細胞の細胞質に高度の空胞変性を認め, 電顕像ではセラミドトリヘキソシドの沈着による年輪状, 層状の封入体を認めた. さらにGLA遺伝子に変異が同定され, 心ファブリー病と診断した. 現在, アガルシダーゼαによる酵素補充療法を開始している.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.749