佐藤論文に対するEditorial Comment
佐藤論文は, 比較的稀な孤立性腹腔内臓動脈解離の5例に対する保存的治療の良好な成績を報告した論文である. 著者の記述にもあるが, 腹腔内臓動脈解離は, 大動脈解離の際に解離が分枝にまで波及したことによるものがほとんどで, 今回の5症例のように分枝動脈から孤立性に解離が発生することは稀である. しかしながら, 最近の画像診断の進歩に伴い発見される機会も増え, 症例数は増加傾向にある. 幸いにも今回のように比較的良好な経過をたどれば, 診断にいたることなく一過性の腹痛として処理されていたとの可能性もある. 19例の症例を検討したTakayamaらの報告においても, 有症状は7例(37%)のみで,...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2012/11/15, Vol.44(11), pp.1426-1426 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 佐藤論文は, 比較的稀な孤立性腹腔内臓動脈解離の5例に対する保存的治療の良好な成績を報告した論文である. 著者の記述にもあるが, 腹腔内臓動脈解離は, 大動脈解離の際に解離が分枝にまで波及したことによるものがほとんどで, 今回の5症例のように分枝動脈から孤立性に解離が発生することは稀である. しかしながら, 最近の画像診断の進歩に伴い発見される機会も増え, 症例数は増加傾向にある. 幸いにも今回のように比較的良好な経過をたどれば, 診断にいたることなく一過性の腹痛として処理されていたとの可能性もある. 19例の症例を検討したTakayamaらの報告においても, 有症状は7例(37%)のみで, 6割以上が無症状で偶然発見されたものであった1). 発生部位として上腸間膜動脈(SMA)が最多で, 中年男性に多いとされるが1), 今回の5例とも一致する. 本論文では検討されていないが, Gobbleらの報告では, SMA解離の発生部位は分岐部から平均3.0(0.7~3.3)cmのところで, やはりSMAが屈曲する部位と一致する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.44.1426 |