ステロイド筋注により完全房室ブロックが改善した悪性関節リウマチによる急性心筋炎の1例
症例は45歳, 男性. 主訴は意識消失発作. 現病歴: 2009年7月より関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA), 甲状腺機能亢進症のため当院膠原病内科に通院中であった. 同年11月より全身の関節痛および発熱が出現し, 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis; MRA) 疑いのため当院膠原病内科入院となった. 入院加療中に病棟で椅子から転げ落ち, 意識消失しているところを発見された. すぐに意識回復し自力歩行で帰室したが, 再度ベッド上で意識消失し, そのときのモニター心電図にて約10秒の心停止を伴う完全房室ブロックを認めた....
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Veröffentlicht in: | 心臓 2011, Vol.43(9), pp.1214-1220 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は45歳, 男性. 主訴は意識消失発作. 現病歴: 2009年7月より関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA), 甲状腺機能亢進症のため当院膠原病内科に通院中であった. 同年11月より全身の関節痛および発熱が出現し, 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis; MRA) 疑いのため当院膠原病内科入院となった. 入院加療中に病棟で椅子から転げ落ち, 意識消失しているところを発見された. すぐに意識回復し自力歩行で帰室したが, 再度ベッド上で意識消失し, そのときのモニター心電図にて約10秒の心停止を伴う完全房室ブロックを認めた. 完全房室ブロックによるアダムス·ストークス発作の診断で, 当院循環器内科に転科となり, 直ちに一時的経静脈ペーシングを施行した. 同日よりステロイド投与を内服から筋注に変更し, 速やかな炎症反応の改善を認めるとともに自己脈の出現を認めたため一時的経静脈ペーシングの施行を中止した. 経過中の心臓超音波検査で左室壁運動異常なく, 血液生化学検査で心筋逸脱酵素の上昇はなかった. 心臓カテーテル検査にて左室機能は正常範囲内で冠動脈狭窄も認められなかった. 心筋生検にて炎症細胞の浸潤を認めた. 関節リウマチ症例において, アミロイド結節などによる不可逆性変化に伴う完全房室ブロックの症例は散見されるが, 本症例のように悪性関節リウマチによる急性心筋炎による完全房室ブロックがステロイド筋注により改善した症例は稀なため報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.43.1214 |