入院後急激な転帰をたどった肺動脈内膜肉腫の1剖検例
症例は51歳,男性.2007年3月より労作時息切れが出現し,その後しだいに増悪,7月には失神発作・下腿浮腫を認め,緊急入院.心電図上に右心負荷を認め,肺塞栓症を疑い,胸部造影CTを行ったところ肺動脈主幹部に一塊の巨大な腫瘤影を認めた.抗凝固療法を開始するも,症状・腫瘤像に改善はみられなかった.末梢肺動脈の血栓像認めず,血管壁の肥厚も伴っており肺動脈原発肉腫を疑った.患者は第9病日に呼吸困難を訴えた後に突然死し,病理解剖にて肺動脈内膜肉腫と診断された.肺動脈内膜肉腫を含めた肺動脈原発肉腫は1923年のMandelstammの最初の報告以降これまでに約200例程度の文献報告がみられる比較的稀で予後...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2009, Vol.41(11), pp.1239-1245 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は51歳,男性.2007年3月より労作時息切れが出現し,その後しだいに増悪,7月には失神発作・下腿浮腫を認め,緊急入院.心電図上に右心負荷を認め,肺塞栓症を疑い,胸部造影CTを行ったところ肺動脈主幹部に一塊の巨大な腫瘤影を認めた.抗凝固療法を開始するも,症状・腫瘤像に改善はみられなかった.末梢肺動脈の血栓像認めず,血管壁の肥厚も伴っており肺動脈原発肉腫を疑った.患者は第9病日に呼吸困難を訴えた後に突然死し,病理解剖にて肺動脈内膜肉腫と診断された.肺動脈内膜肉腫を含めた肺動脈原発肉腫は1923年のMandelstammの最初の報告以降これまでに約200例程度の文献報告がみられる比較的稀で予後不良の疾患であり,手術療法が唯一の根治的治療であるが成功例の報告は少ない.臨床的には肺動脈血栓塞栓症との鑑別が問題となり,CTでの肺動脈主幹部の壁肥厚像やDダイマーの比較的低値では肺動脈内膜肉腫を積極的に疑う必要があると考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.1239 |