薬剤抵抗性のびまん性右冠動脈冠攣縮性狭心症に対し複数個のステント留置が有効であった1例
症例は56歳, 女性. 2004年9月胸痛と失神にて入院, 異型狭心症と診断し, カルシウム(Ca)拮抗薬と硝酸薬の内服を開始した. 2005年1月発作が再燃し薬物療法を強化したが, 同年3月胸痛再燃と高度房室ブロックによる失神で第3回入院となった. さらに薬物療法を強化したが発作を繰り返し, アセチルコリン(acetylcholine;ACh)負荷にて右冠動脈(right coronary artery;RCA)の冠攣縮が誘発された. 高度房室ブロックを伴い致死的不整脈に移行する危険があったことからRCA#1から#4AVまで計4本のベアメタルステント(baremetal stent;BMS)...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2007-09, Vol.39 (9), p.817-822 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は56歳, 女性. 2004年9月胸痛と失神にて入院, 異型狭心症と診断し, カルシウム(Ca)拮抗薬と硝酸薬の内服を開始した. 2005年1月発作が再燃し薬物療法を強化したが, 同年3月胸痛再燃と高度房室ブロックによる失神で第3回入院となった. さらに薬物療法を強化したが発作を繰り返し, アセチルコリン(acetylcholine;ACh)負荷にて右冠動脈(right coronary artery;RCA)の冠攣縮が誘発された. 高度房室ブロックを伴い致死的不整脈に移行する危険があったことからRCA#1から#4AVまで計4本のベアメタルステント(baremetal stent;BMS)を留置し, 留置直後にACh負荷にて冠攣縮と房室ブロックが誘発されないことを確認した. 薬物療法を継続し無症状で経過したが, 4ヵ月後の冠動脈造影(coronary angiography;CAG)再検にてRCA #2ステント内に75%再狭窄を認め, Cutting balloon 3.75mmにて25%に拡張後, ACh負荷にて冠攣縮による狭窄は認めなかった. 以後も無症状で経過し, 9ヵ月後のCAGでは再狭窄を認めていない. 器質的狭窄のない血管にステントを留置したが, 一部の再狭窄をきたしたのみで再経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)後は9ヵ月間良好な開大が維持され症状も改善した. びまん性冠攣縮に対する複数個のステント留置はこれまで報告されておらず, 本症例には有効な治療法であったと考えられる, ただし長期予後は不明であり, 慎重な経過観察を要する. |
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ISSN: | 0586-4488 |