著明な心拡大と心機能低下を呈した6ヵ月女児の大動脈縮窄に対する経皮的バルーン拡大術

大動脈縮窄でまれに乳児期に心筋症をきたす例が報告されている. 我々は, 「拡張型心筋症」として紹介された6ヵ月の女児で大動脈縮窄を認め, バルーン大動脈拡大術を施行し, 著功したので報告する. 症例は女児, 体重6.6kg. 入院2日前から, 咳嗽出現, 近医で顔色不良を指摘され, 心エコー図から「拡張型心筋症」が疑われ当科を受診. 末梢性チアノーゼを認め, III音ギャロップリズムを聴取し, 血圧は下肢で軽度触知不良. 胸部X線写真で心胸郭比77%, 心エコー図では左室壁は肥厚しているものの拡大し, 駆出率はわずかに10%, 大動脈の詳細な検討から大動脈縮窄が示唆された. 心臓カテーテル検査...

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Veröffentlicht in:心臓 2002-08, Vol.34 (8), p.681-685
Hauptverfasser: 須田憲治, 松村正彦, 砂川晶生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:大動脈縮窄でまれに乳児期に心筋症をきたす例が報告されている. 我々は, 「拡張型心筋症」として紹介された6ヵ月の女児で大動脈縮窄を認め, バルーン大動脈拡大術を施行し, 著功したので報告する. 症例は女児, 体重6.6kg. 入院2日前から, 咳嗽出現, 近医で顔色不良を指摘され, 心エコー図から「拡張型心筋症」が疑われ当科を受診. 末梢性チアノーゼを認め, III音ギャロップリズムを聴取し, 血圧は下肢で軽度触知不良. 胸部X線写真で心胸郭比77%, 心エコー図では左室壁は肥厚しているものの拡大し, 駆出率はわずかに10%, 大動脈の詳細な検討から大動脈縮窄が示唆された. 心臓カテーテル検査では左室拡張末期容積は正常の453%, 駆出率20%. 縮窄部大動脈径は3.7mmと, その前後の大動脈径の50%以下であった. 患者は次第に高容量のカテコールアミンを必要とするようになり, 発熱を契機に肺水腫に陥った. このため, 緊急でバルーン大動脈拡大術を施行した.
ISSN:0586-4488