拡張型心筋症類似の病態を呈し下垂体腺腫摘出手術により心機能, 心肥大が改善したacromegalic heart diseaseの1例
症例は57歳女性. 47歳から足底長の変化, 労作時の動悸を自覚. 同時期に心拡大, 不整脈, 50歳で高血圧を指摘されるも放置. 56歳に顔貌変化, 57歳に労作時の動悸の増強を認め当科入院. 血中成長ホルモン(GH)の高値, 頭部MRI像による下垂体腫瘍の所見などから, GH産生性下垂体腫瘍による末端肥大症と診断した. 心電図上ST・T変化を伴う左室高電位, 心エコー図上, 左心室の著明な拡張とび漫性の壁運動低下を認めた. 冠動脈に有意狭窄病変はなく, 左心室造影では壁運動はび漫性に低下し, 駆出率は27%であった. 右心室心内膜下心筋生検では著明な心筋肥大を認め, 以上よりacromeg...
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Veröffentlicht in: | 心臓 1996-03, Vol.28 (3), p.217-221 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は57歳女性. 47歳から足底長の変化, 労作時の動悸を自覚. 同時期に心拡大, 不整脈, 50歳で高血圧を指摘されるも放置. 56歳に顔貌変化, 57歳に労作時の動悸の増強を認め当科入院. 血中成長ホルモン(GH)の高値, 頭部MRI像による下垂体腫瘍の所見などから, GH産生性下垂体腫瘍による末端肥大症と診断した. 心電図上ST・T変化を伴う左室高電位, 心エコー図上, 左心室の著明な拡張とび漫性の壁運動低下を認めた. 冠動脈に有意狭窄病変はなく, 左心室造影では壁運動はび漫性に低下し, 駆出率は27%であった. 右心室心内膜下心筋生検では著明な心筋肥大を認め, 以上よりacromegalic heart disease(AHD)と診断した. 腫瘍摘出手術後, 血中成長ホルモンは正常化した. 術後, 心エコー図, 左心室造影上左室拡張, 心機能は著明に改善し, 心エコー図で評価した心筋重量は低下した. 心筋生検でも心筋肥大の退縮を認めた. 一般にAHDでは心肥大に関する記載が多い. 本例の特徴として, 1)心内腔の拡張と収縮障害を主体とした拡張型心筋症様の病態を呈したAHDであること, 2)下垂体腺腫摘出により著明な心機能の改善を認めたこと, 3)手術前後の心筋生検所見により心筋肥大の退縮を確認し得たことがあげられ, 貴重な症例と思われた. |
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ISSN: | 0586-4488 |