野生イノシシ集団での豚熱発生初期における基本再生産数の推定
豚熱は2018年9月,わが国で26年ぶりに発生し,野生イノシシ集団に感染拡大した.本研究は,野生動物であるがゆえに正確な発生数が計測できない悪条件を克服し,野生イノシシ集団における豚熱ウイルスの伝達性を把握するために実施された.2018年9月~2019年2月の野生イノシシ豚熱PCR検査結果を岐阜県,愛知県,三重県のホームページから入手した.記述疫学では,調査3県にまたがる豚熱の地理的拡大と岐阜県におけるPCR検査陽性率の推移を観察した.感受性(S )─感染性待ち期間(E )─感染性(I )─回復期(R )モデルにより,岐阜県における週ごとの検査陽性率がベータ分布に則ることを仮定し,マルコフ連鎖...
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Veröffentlicht in: | Nippon Juishikai zasshi 2021/12/20, Vol.74(12), pp.819-825 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 豚熱は2018年9月,わが国で26年ぶりに発生し,野生イノシシ集団に感染拡大した.本研究は,野生動物であるがゆえに正確な発生数が計測できない悪条件を克服し,野生イノシシ集団における豚熱ウイルスの伝達性を把握するために実施された.2018年9月~2019年2月の野生イノシシ豚熱PCR検査結果を岐阜県,愛知県,三重県のホームページから入手した.記述疫学では,調査3県にまたがる豚熱の地理的拡大と岐阜県におけるPCR検査陽性率の推移を観察した.感受性(S )─感染性待ち期間(E )─感染性(I )─回復期(R )モデルにより,岐阜県における週ごとの検査陽性率がベータ分布に則ることを仮定し,マルコフ連鎖モンテカルロシミュレーションによりモデルのパラメータを導出し,基本再生産数(R0)を計算した.解析の結果,感染性期間は100~145日間と長く,R0は4.2~5.1と推定された.本解析には死亡と出生を含む個体群動態と生息密度が考慮されておらず,今後野生イノシシのフィールドデータに基づく詳細な解析が望まれる. |
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ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.74.819 |