日本における家畜バイオマス重量あたりの抗菌剤使用量の評価 : 細井らの方法とEUの方法による評価結果の比較
薬剤耐性菌の問題は現在世界的な課題となっており,新たな耐性菌の出現と伝播を抑えるために各国において耐性菌の出現と抗菌剤の使用量の把握が求められている。EUでは家畜バイオマス重量の一種であるPopulation Correction Unit(PCU)当たりの販売量を計算し国間比較を行っている。本研究では2005年から2013年の農水省公表データを用い,畜種別の抗菌剤販売量を算出し,日本の家畜バイオマス重量についてはPCUを含む2つの方法で計算し,最終的にPCUまたは家畜バイオマス重量当たりの有効成分販売量を算出し,年次間・畜種間の比較を行った。日本の家畜に対する抗菌剤総販売重量は調査した期間中...
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Veröffentlicht in: | 家畜衛生学雑誌 2017-02, Vol.42 (4), p.191-197 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬剤耐性菌の問題は現在世界的な課題となっており,新たな耐性菌の出現と伝播を抑えるために各国において耐性菌の出現と抗菌剤の使用量の把握が求められている。EUでは家畜バイオマス重量の一種であるPopulation Correction Unit(PCU)当たりの販売量を計算し国間比較を行っている。本研究では2005年から2013年の農水省公表データを用い,畜種別の抗菌剤販売量を算出し,日本の家畜バイオマス重量についてはPCUを含む2つの方法で計算し,最終的にPCUまたは家畜バイオマス重量当たりの有効成分販売量を算出し,年次間・畜種間の比較を行った。日本の家畜に対する抗菌剤総販売重量は調査した期間中大きな変化はなく,多く用いられている薬剤はテトラサイクリン系,サルファ剤などであり,最も多く投与されていた畜種は豚であった。家畜バイオマス重量はいずれの評価法でも調査期間中その総量と畜種別の割合に大きな変化は見られなかったが,2つの方法を比較すると総重量および畜種別構成割合には差がみられた。2005年から2013年のPCU当たりの年間有効成分販売量は,全畜種平均では210~238mg/kgであった。畜種別では豚での使用が最も多く442~499mg/kgであり,ブロイラーでは87~124mg/kg,乳用牛では45~74mg/kg,肉用牛では40~64mg/kgであった。 |
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ISSN: | 1347-6602 |