RSウイルス感染が疑われた育成乳牛における病態指標としての血清レシチン : コレステロールアシルトランスフェラーゼ活性値

一酪農場において,RSウイルス感染が疑われた育成牛12頭に遭遇した。感染牛の血清レシチン: コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)活性値の変動を調査するとともに,その産生および活性に関係があると考えられているtumor necrosis factor α(TNFα)やアポリポタンパク質A-I(ApoA-I)についても評価した。追跡調査した12頭の育成牛は,臨床症状から急性期(0,3,7日目),回復期(22日目),回復後期(50日目)に分けられ,それぞれの時期に採血が行われた。血清ハプトグロビン(Hp)やα1酸性糖タンパク質濃度は肺炎の病勢を反映して急性期に著明に上昇した。治療後,こ...

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Veröffentlicht in:家畜衛生学雑誌 2016-05, Vol.42 (1), p.11-18
Hauptverfasser: Khalphallah, A, 及川, 伸, 本川, 正人, 中田, 健, Amer, A, AbdelAll, T
Format: Artikel
Sprache:eng
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一酪農場において,RSウイルス感染が疑われた育成牛12頭に遭遇した。感染牛の血清レシチン: コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)活性値の変動を調査するとともに,その産生および活性に関係があると考えられているtumor necrosis factor α(TNFα)やアポリポタンパク質A-I(ApoA-I)についても評価した。追跡調査した12頭の育成牛は,臨床症状から急性期(0,3,7日目),回復期(22日目),回復後期(50日目)に分けられ,それぞれの時期に採血が行われた。血清ハプトグロビン(Hp)やα1酸性糖タンパク質濃度は肺炎の病勢を反映して急性期に著明に上昇した。治療後,これら急性相タンパク質濃度は22日目には正常値に復帰した。血清LCAT活性値は50日目と比較して3日目に有意に最低値となり,その後,病態の回復とともに徐々に正常の値に近づいて行った。血清TNFαは3日目から増加し,7日目には最高値となった。急性期に上昇した血清ApoA-I濃度はHpとの親和性を示す変化と考えられた。結論として,本臨床例において血清LCATの変動は病態変化とよく一致していた。一方,その変動はTNFαやApoA-Iと関連しているようではなかった。
ISSN:1347-6602