滋賀県における育苗時のイネばか苗病多発の原因と対策

「はじめに」滋賀県では, 化学合成農薬と化学肥料の使用を慣行の5割以下に削減するとともに, 環境への負荷削減に配慮した“環境こだわり農産物”の認証を推進しており, 2013年には水稲作付面積の1/3強にあたる約12,000haが環境こだわり農産物の認証を受けている. 環境こだわり農産物の生産にあたり, 化学合成農薬の使用を削減する手法として, 水稲種子の温湯消毒は重要な技術となっており, 広く取り組まれている. 温湯消毒の処理温度・時間については, 60~62℃ 10分間処理が県の栽培指針等を通じて技術指導されている. しかしながら, 消毒後の種子乾燥および保管条件はさまざまで, 現場では,...

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Veröffentlicht in:Nihon Nōyaku Gakkai shi (2013) 2015/02/20, Vol.40(1), pp.8-11
Hauptverfasser: 井田, 陽介, 北澤, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」滋賀県では, 化学合成農薬と化学肥料の使用を慣行の5割以下に削減するとともに, 環境への負荷削減に配慮した“環境こだわり農産物”の認証を推進しており, 2013年には水稲作付面積の1/3強にあたる約12,000haが環境こだわり農産物の認証を受けている. 環境こだわり農産物の生産にあたり, 化学合成農薬の使用を削減する手法として, 水稲種子の温湯消毒は重要な技術となっており, 広く取り組まれている. 温湯消毒の処理温度・時間については, 60~62℃ 10分間処理が県の栽培指針等を通じて技術指導されている. しかしながら, 消毒後の種子乾燥および保管条件はさまざまで, 現場では, 同時に温湯消毒された種子であっても育苗する農家によってばか苗病の発生量が異なる事例が認められた. 温湯消毒は化学合成農薬に比べてばか苗病に対する効果が低いことはすでに報告されている. つまり, 罹病種子を完全に殺菌できない場合があると考えられる.
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W14-26