循環キャピラリー養液栽培システムを用いた高糖度トマト生産におけるNO3-N供給量による成育制御

培養液の循環再利用が可能な循環キャピラリー栽培システム(RCS)を用いた高糖度トマトの3段摘心養液栽培において,基本培養液の給液によるNO3-N供給量が成育,収量および果実糖度に及ぼす影響を検討した. 栽培期間におけるNO3-N供給量が少ないほどトマトの地上部生体重,地上部乾物重,葉面積および収穫果重は減少したが,果実糖度は9 %以上で差はみられなかった(試験1).第2 花房開花期まで少ないNO3-N供給量で,その後に増加させたS-M区の葉面積は,栽培期間を通じて充分なNO3-Nを供給したM-M区に比べて小さいが,果実糖度は10 %以上に上昇し,同等の収穫果重が得られた(試験2).さらに,第2...

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Veröffentlicht in:植物環境工学 2013/12/01, Vol.25(4), pp.183-194
Hauptverfasser: 大石, 直記, 守谷, 栄樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:培養液の循環再利用が可能な循環キャピラリー栽培システム(RCS)を用いた高糖度トマトの3段摘心養液栽培において,基本培養液の給液によるNO3-N供給量が成育,収量および果実糖度に及ぼす影響を検討した. 栽培期間におけるNO3-N供給量が少ないほどトマトの地上部生体重,地上部乾物重,葉面積および収穫果重は減少したが,果実糖度は9 %以上で差はみられなかった(試験1).第2 花房開花期まで少ないNO3-N供給量で,その後に増加させたS-M区の葉面積は,栽培期間を通じて充分なNO3-Nを供給したM-M区に比べて小さいが,果実糖度は10 %以上に上昇し,同等の収穫果重が得られた(試験2).さらに,第2 花房開花期までNO3-N供給量をM-M区の1/2 量としその後に2 倍量に増やしたS-L区の葉面積はM-M区に比べて小さく,LAIが小さく群落内の相対光量(RLI)が大きい特徴がみられた.S-L区およびM-M区の果実糖度は8 %以上で差が無かったが,S-L区の収穫果重は5.7 Plant m-2以上の栽植密度でM-M区より多かった(試験3).試験1~3を通じて,面積当たり収量はLAIが2.5以上になると増加が鈍化する傾向がみられたが,S-L区(試験3)の面積当たり収量はLAIが大きい条件下で大きい傾向がみられた. 以上から,RCSを用いた高糖度トマト生産における基本培養液に基づくNO3-N供給量の変更は,高栽植密度下で面積当たり収量を増加できる成育制御法として有効である.
ISSN:1880-2028
1880-3563
DOI:10.2525/shita.25.183