ヤマブドウ雌株単植園における無種子果実の安定生産のためのGAおよびCPPU処理による単為結果の誘発

ヤマブドウ雌株単植園における無種子果実の安定生産を目的として,ジベレリン(GA)処理によるヤマブドウの単為結果誘導,および,無種子果に対するホルクロルフェニュロン(CPPU)の肥大促進効果について検討した.実験には,山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センター高坂農場のヤマブドウ雌株を供試した.果房に袋かけを行って受粉しない条件下でGA処理の時期と濃度の影響について検討した結果,第1回目のGA処理を開花始めに100 ppmで行った後,第2回目GA処理を満開5~15日後の間に50~200 ppmで行うことで99%以上の高い割合で無種子果が得られ,GA処理による単為結果誘導が可能となり,無種子...

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Veröffentlicht in:Engeigaku kenkyuu 2012, Vol.11(1), pp.87-95
Hauptverfasser: 小岩井, 優, 奥山, 史洋, 田中, 健一, 山﨑, 彩香, 本間, 英治, 池田, 和生, 平, 智
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヤマブドウ雌株単植園における無種子果実の安定生産を目的として,ジベレリン(GA)処理によるヤマブドウの単為結果誘導,および,無種子果に対するホルクロルフェニュロン(CPPU)の肥大促進効果について検討した.実験には,山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センター高坂農場のヤマブドウ雌株を供試した.果房に袋かけを行って受粉しない条件下でGA処理の時期と濃度の影響について検討した結果,第1回目のGA処理を開花始めに100 ppmで行った後,第2回目GA処理を満開5~15日後の間に50~200 ppmで行うことで99%以上の高い割合で無種子果が得られ,GA処理による単為結果誘導が可能となり,無種子果生産技術として利用可能であると考えられた.しかし,得られた無種子果は有種子果に比較して肥大が不十分なため,無種子果の肥大促進を図るために,CPPU処理の時期と濃度の影響について検討を行った.CPPUを満開日,満開5,10または15日後に100 ppmで処理した結果,果粒肥大には満開10日後にGA 100 ppmと混用した処理のみ有意な促進効果が認められ,満開後5および15日のCPPU単用処理では肥大促進効果は認められなかった.また,処理時期が早いほど果房当たりの果粒数が増加する傾向が認められたが,満開日処理では果粒が密着しすぎ,満開5日後の処理では十分な肥大効果が得られなかった.さらに,満開10日後に50,100または200 ppmで処理を行って濃度の影響について検討した結果,100 ppm処理のみ平均果粒重が有意に増加した.以上の結果から,本実験に供試したヤマブドウ系統の無種子果生産には,第1回目のGA処理を開花始めに100 ppmで,第2回目のGA処理を満開5,10または15日後に100~200 ppmで処理するのが適当であると考えられた.また,有種子果より肥大が劣る無種子果の肥大促進には,CPPU 100 ppmを満開10日後にGA 100 ppmと混用して処理することが有効であることが示され,GAおよびCPPU処理より雌花単植園でのヤマブドウ生産が十分可能であることが示唆された.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.11.87