ヒト精巣組織における精原幹細胞およびヒト精巣由来の多能性幹細胞について

要旨:精巣組織に含まれる精原幹細胞は, 精子の源となる細胞であり, 一生の間に自己複製および精子への分化を絶えず行っている. 最近, マウスにおける精原幹細胞に関しては, in vitroでの培養が可能となったが, ヒト精原幹細胞に関しては, まだまだ不明な点が多く, 謎に包まれている. 最近, 体細胞に特定の遺伝子を導入することにより多能性幹細胞を誘導することが可能となり, 人工多能性幹(iPS)細胞と呼ばれている. また, ヒト精巣組織から培養条件を変えることによって多能性幹細胞が誘導されたとの報告がなされた. このように, ここ5年間で幹細胞に関する研究分野は急速に発展している. これら...

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Veröffentlicht in:Journal of Mammalian Ova Research 2010-10, Vol.27 (4), p.204-207
Hauptverfasser: 小林秀行, 中島耕一, 上村修一, 永尾光一, 石井延久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:精巣組織に含まれる精原幹細胞は, 精子の源となる細胞であり, 一生の間に自己複製および精子への分化を絶えず行っている. 最近, マウスにおける精原幹細胞に関しては, in vitroでの培養が可能となったが, ヒト精原幹細胞に関しては, まだまだ不明な点が多く, 謎に包まれている. 最近, 体細胞に特定の遺伝子を導入することにより多能性幹細胞を誘導することが可能となり, 人工多能性幹(iPS)細胞と呼ばれている. また, ヒト精巣組織から培養条件を変えることによって多能性幹細胞が誘導されたとの報告がなされた. このように, ここ5年間で幹細胞に関する研究分野は急速に発展している. これら幹細胞に関する研究は, 将来的に男性不妊症の解明や治療に大きく貢献することが期待されている. 今回, ヒト精原幹細胞およびヒト精巣組織由来の多能性幹細胞について最新の知見を含めて報告する. 「はじめに」幹細胞は, きわめてユニークな性質を持った細胞の集団である.
ISSN:1341-7738