フェレットの皮膚血管肉腫の1例

フェレット (Mustela putorius furo) における皮膚血管肉腫の発生率は低く, 他臓器同様に報告はあるが, 詳細は明らかでない. 本症例では, 左後肢の中足部背面皮膚に難治性潰瘍が発生し, 悪化傾向を示し断脚が行われた. 病変部の病理組織学的検査により, 血管内皮細胞様の多形性を示す細胞の腫瘍性増殖が認められ, 抗第VIII因子関連抗原抗体を用いた免疫組織化学的染色においても陽性を呈し, 血管肉腫と診断された. 本症例は, 再発や遠隔転移もなく術後6カ月経過した現在も経過は良好である. フェレットの皮膚血管肉腫における詳細な臨床経過, 免疫染色による確定診断の有用性, 断脚後...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2008/04/20, Vol.61(4), pp.303-305
Hauptverfasser: 小沼, 守, 近藤, 広孝, 小野, 貞治, 上木, 万里子, 渋谷, 久, 佐藤, 常男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:フェレット (Mustela putorius furo) における皮膚血管肉腫の発生率は低く, 他臓器同様に報告はあるが, 詳細は明らかでない. 本症例では, 左後肢の中足部背面皮膚に難治性潰瘍が発生し, 悪化傾向を示し断脚が行われた. 病変部の病理組織学的検査により, 血管内皮細胞様の多形性を示す細胞の腫瘍性増殖が認められ, 抗第VIII因子関連抗原抗体を用いた免疫組織化学的染色においても陽性を呈し, 血管肉腫と診断された. 本症例は, 再発や遠隔転移もなく術後6カ月経過した現在も経過は良好である. フェレットの皮膚血管肉腫における詳細な臨床経過, 免疫染色による確定診断の有用性, 断脚後の予後は良好である可能性を示唆した始めての報告である.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.61.303