地域で流行しているNorovirusとカキとの関連性について

カキを喫食した集団食中毒の原因ウイルスとしてNorovirus(以下NV)は重要である。地域で流行しているNVが下水を通り海水に流入し、カキの中腸腺に蓄積することが原因と考えられている。2000年4月、山形県内の2ヶ所の飲食店で庄内産イワガキを喫食したNVによる集団食中毒が同時に発生した。地域で流行していたNVとカキとの関連性を明らかにするために遺伝子解析を行った。カキを喫食した2件の集団食中毒事例から検出されたNV遺伝子と、医療機関を受診した小児下痢症患者およびカキとは関連のない3件の集団発生事例から検出されたNV遺伝子について系統樹解析を行った。その結果、カキを喫食して発生した事例では有症...

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Veröffentlicht in:山形県衛生研究所報 2005-12 (38), p.5-8
Hauptverfasser: 村田, 敏夫, 安孫子, 千恵子, 水田, 克巳, 勝島, 矩子, 伊藤, 末志, 松嵜, 葉子, 村木, 靖, 本郷, 誠治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:カキを喫食した集団食中毒の原因ウイルスとしてNorovirus(以下NV)は重要である。地域で流行しているNVが下水を通り海水に流入し、カキの中腸腺に蓄積することが原因と考えられている。2000年4月、山形県内の2ヶ所の飲食店で庄内産イワガキを喫食したNVによる集団食中毒が同時に発生した。地域で流行していたNVとカキとの関連性を明らかにするために遺伝子解析を行った。カキを喫食した2件の集団食中毒事例から検出されたNV遺伝子と、医療機関を受診した小児下痢症患者およびカキとは関連のない3件の集団発生事例から検出されたNV遺伝子について系統樹解析を行った。その結果、カキを喫食して発生した事例では有症者間で検出されたNVの塩基配列に多様性が認められた。しかし、小児下痢症患者とカキとは関連のない集団発生事例から検出されたNV遺伝子のうち塩基配列が一致したのは2株のみであり、明瞭な関連性は認められなかった。地域で流行しているNVとカキとの関連性については、さらに調査を継続する必要があると考えられた。
ISSN:0513-4706