ケイ酸カリウム溶液の育苗培土灌注によるイネ苗いもちの発病抑制
ケイ酸カリウムの試薬,液肥などの溶液を育苗培土に灌注処理することによる苗いもち発病抑制効果について検討したところ,以下に示す結果を得た.1)ケイ酸カリウム溶液試薬の育苗箱当たりケイ酸成分10gの育苗培土灌注処理は,苗いもち立枯れ症状,および,いもち病斑形成に対し,高い抑制効果が認められた.一方,シリカゲル肥料の育苗箱当たりケイ酸成分250gの床土混和処理は,病斑抑制効果は高かったが,立枯れ症状を抑制する効果は低かった.2)市販のケイ酸カリ液肥の育苗箱当たりケイ酸成分5gの育苗培土灌注処理は,苗いもち立枯れ症状に対し,3種類の液肥とも試薬とほぼ同等の効果があった.いもち病斑形成に対しては,試薬以...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2002/12/05, Vol.73(6), pp.725-731 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ケイ酸カリウムの試薬,液肥などの溶液を育苗培土に灌注処理することによる苗いもち発病抑制効果について検討したところ,以下に示す結果を得た.1)ケイ酸カリウム溶液試薬の育苗箱当たりケイ酸成分10gの育苗培土灌注処理は,苗いもち立枯れ症状,および,いもち病斑形成に対し,高い抑制効果が認められた.一方,シリカゲル肥料の育苗箱当たりケイ酸成分250gの床土混和処理は,病斑抑制効果は高かったが,立枯れ症状を抑制する効果は低かった.2)市販のケイ酸カリ液肥の育苗箱当たりケイ酸成分5gの育苗培土灌注処理は,苗いもち立枯れ症状に対し,3種類の液肥とも試薬とほぼ同等の効果があった.いもち病斑形成に対しては,試薬以上の高い抑制効果を示した液肥Aが選抜され,その液肥を施用したイネのケイ酸含有率は最も上昇した.3)選抜した液肥Aの育苗箱当たりケイ酸成分灌注量は,0.5〜1.0gで立枯れ苗率を無施用の40%程度に発病抑制した.5.0gでは無施用の7%に抑制し,最も高い発病抑制効果が認められた.4)pHを変えた液肥Aの育苗箱当たりケイ酸成分5.6gの灌注により,pH5.0〜10.4(pH無調整)とも高い立枯れ苗抑制効果が認められた.いもち病斑形成については,液肥のpHを下げるに従って,抑制効果が減少する傾向にあった.5)以上の結果より,ケイ酸カリ溶液の試薬,液肥とも育苗箱での培土灌注処理は高い苗いもち抑制効果を持つことが認められ,殺菌剤の代替になると考えられる.施用時期は播種直後,施用量はケイ酸として育苗箱当たり5gが適当であった. |
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ISSN: | 0029-0610 2424-0583 |
DOI: | 10.20710/dojo.73.6_725 |