1農場に多発した牛ウイルス性下痢ウイルス1の持続感染および粘膜病

12頭の黒毛和種成雌牛を飼養する農場において, 1993年8月に1頭および2000年12月からの3ヵ月間に4頭が粘膜病を発症した.飼養牛をウイルス学的および病理学的に検索し, 粘膜病が多発した要因を検討した.粘膜病発症牛は口腔粘膜のびらんと下痢を示した.それらの血清から牛ウイルス性下痢ウイルス1の非細胞病原性 (NCP) 株および細胞病原性株が分離されたが, 同ウイルスの中和抗体は検出されなかった.病理学的には消化管粘膜に多発性のびらんと潰瘍が観察された.他に3頭のNCP株持続感染牛が摘発された.3ヵ月間に粘膜病を発症した4頭は, 1頭の持続感染牛の子牛あるいは孫牛であった.1頭の持続感染牛か...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2002/07/20, Vol.55(7), pp.413-416
Hauptverfasser: 八重樫, 岳司, 清宮, 幸男, 本川, 正人, 高橋, 真紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:12頭の黒毛和種成雌牛を飼養する農場において, 1993年8月に1頭および2000年12月からの3ヵ月間に4頭が粘膜病を発症した.飼養牛をウイルス学的および病理学的に検索し, 粘膜病が多発した要因を検討した.粘膜病発症牛は口腔粘膜のびらんと下痢を示した.それらの血清から牛ウイルス性下痢ウイルス1の非細胞病原性 (NCP) 株および細胞病原性株が分離されたが, 同ウイルスの中和抗体は検出されなかった.病理学的には消化管粘膜に多発性のびらんと潰瘍が観察された.他に3頭のNCP株持続感染牛が摘発された.3ヵ月間に粘膜病を発症した4頭は, 1頭の持続感染牛の子牛あるいは孫牛であった.1頭の持続感染牛からの垂直感染により複数の新たな持続感染牛が生産・飼育されていたことが, 粘膜病の多発した重要な要因となった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.55.413