二条大麦新品種「スカイゴールデン」の育成 : 二条大麦農林20号
栃本県農業試験場栃木分場でビール醸造用二条大麦新品種スカイゴールデンを育成した。2000年に栃木県の認定品種に採用され、2001年2月に二条大麦農林20号として農林登録された。 本品種の育成に当たって1990年4月に栃木分場において、関東二条25号を母に、栃系216を父として人工交配を行い、以後派生系統育種法により選抜固定を図った。育種目標は大麦縞萎縮病(I型及びIII型ウイルス系統)・うどんこ病抵抗性、良質・多収で、F1からF3世代まで世代促進栽培を行い、F4世代で大麦縞萎縮病とうどんこ病の抵抗性個体を選抜した。 播性はIで、あまぎ二条と比べ出穂期は1~2日、成熟期は2日早い。あまぎ二条より...
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Veröffentlicht in: | 栃木県農業試験場研究報告 2001-12 (50), p.1-18 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 栃本県農業試験場栃木分場でビール醸造用二条大麦新品種スカイゴールデンを育成した。2000年に栃木県の認定品種に採用され、2001年2月に二条大麦農林20号として農林登録された。 本品種の育成に当たって1990年4月に栃木分場において、関東二条25号を母に、栃系216を父として人工交配を行い、以後派生系統育種法により選抜固定を図った。育種目標は大麦縞萎縮病(I型及びIII型ウイルス系統)・うどんこ病抵抗性、良質・多収で、F1からF3世代まで世代促進栽培を行い、F4世代で大麦縞萎縮病とうどんこ病の抵抗性個体を選抜した。 播性はIで、あまぎ二条と比べ出穂期は1~2日、成熟期は2日早い。あまぎ二条より稈長及び穂長は短く、穂数は同等である。耐倒伏性はあまぎ二条より優れる。大麦縞萎縮病I型及びIII型ウイルス系統とうどんこ病に複合抵抗性である。子実重はあまぎ二条と同程度であるが、あまぎ二条やミカモゴールデンより千粒重が大きく整粒歩合が多い。外観品質はあまぎ二条と同等ないしはやや優れる。 水感受性はあまぎ二条より高く、タカホゴールデン並である。粗蛋白質含量はあまぎ二条より高く、ミカモゴールデン、タカホゴールデンと同等である。可溶性窒素はあまぎ二条より高いが、麦芽エキス、ジアスターゼ力、最終発酵度はミカモゴールデンより高く優れている。麦汁β-グルカンはミカモゴールデン並に低く、スカイゴールデンの麦芽品質は蛋白が溶けやすいが総合的に優れている。 スカイゴールデンは関東から中国・四国地域の平坦地に適する。 |
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ISSN: | 0388-9270 |