液滴法によるAphanomyces cochlioides遊走子の走化性の定量的生物検定法

定量的生物検定法である液滴法を用いてホウレンソウ地下部由来のAphanomyces cochlioides遊走子誘引物質cochliophilin Aの最低活性濃度を決定しようと試みた。Cochliophilin Aを溶解させたフッ化炭化水素FC-72の液滴を用いて誘引活性を検討した結果,液滴に誘引される遊走子数の変動は液滴注入から60∼90秒で落ち着いた。この時間帯の後に,有意な誘引が観察される最低活性濃度は3.0×10-9Mであった。さらに興味深いことには,液滴のcochliophilin Aの濃度が0.03ppm (1.1×10-7M)以上の場合,誘引された遊走子が,多くは液滴の表面で自...

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Veröffentlicht in:Nippon shokubutsu byōri gakkai 1998/06/25, Vol.64(3), pp.175-178
Hauptverfasser: 高山, 智光, 水谷, 純也, 田原, 哲士
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:定量的生物検定法である液滴法を用いてホウレンソウ地下部由来のAphanomyces cochlioides遊走子誘引物質cochliophilin Aの最低活性濃度を決定しようと試みた。Cochliophilin Aを溶解させたフッ化炭化水素FC-72の液滴を用いて誘引活性を検討した結果,液滴に誘引される遊走子数の変動は液滴注入から60∼90秒で落ち着いた。この時間帯の後に,有意な誘引が観察される最低活性濃度は3.0×10-9Mであった。さらに興味深いことには,液滴のcochliophilin Aの濃度が0.03ppm (1.1×10-7M)以上の場合,誘引された遊走子が,多くは液滴の表面で自己集合を起こして,宿主植物の根において形成されるものと同様の集積塊を形成した。このように液滴法によって誘引現象のみならず集積塊形成のメカニズムを解明できる可能性が示唆された。
ISSN:0031-9473
1882-0484
DOI:10.3186/jjphytopath.64.175