多肥茶園土壌中の無機態窒素の動態ならびに減肥過程における一番茶アミノ酸含量の変化

多肥栽培茶園土壌中の無機態窒素の動態, ならびに減肥過程における根の分布状況の変化および一番茶アミノ酸含量への減肥の影響について検討した. 10a当たり施肥窒素量が133kgから293kgまで種々異なる6茶園における土壌溶液中の無機態窒素量の年平均値は, 0.3から1.3eq/m3の変動が見られたが, 施肥量との間には高い相関が認められた. また, 土壌溶液中の窒素量は施肥量および調査時期によって異なったが, 特にうね間部での変動が大きく, その幅が1.0eq/m3以上に達したほ場もあった. 一方, 株元部では0.1eq/m3前後の低濃度で推移し, 年間変動は殆どみられなかった. また, 土壌...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1995/09/05, Vol.64(3), pp.523-528
Hauptverfasser: 橘, 尚明, 吉川, 重彦, 池田, 勝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:多肥栽培茶園土壌中の無機態窒素の動態, ならびに減肥過程における根の分布状況の変化および一番茶アミノ酸含量への減肥の影響について検討した. 10a当たり施肥窒素量が133kgから293kgまで種々異なる6茶園における土壌溶液中の無機態窒素量の年平均値は, 0.3から1.3eq/m3の変動が見られたが, 施肥量との間には高い相関が認められた. また, 土壌溶液中の窒素量は施肥量および調査時期によって異なったが, 特にうね間部での変動が大きく, その幅が1.0eq/m3以上に達したほ場もあった. 一方, 株元部では0.1eq/m3前後の低濃度で推移し, 年間変動は殆どみられなかった. また, 土壌溶液中の窒素濃度は8月初旬に高く, うね間部および雨落ち部では表層から深さ1m層までの平均濃度は495ppmであったが, 層位による差異は大であった. しかし株元部では100ppm以下で, 層位による差も僅かであった. そして土壌溶液窒素濃度280ppm以上の土層中には, 根の発達が認められなかったことから, この付近の窒素濃度によって根の分布域は規定されるものと推定した. 10a当たり年間施窒素量200kg以上から120kgレベルまで急激に減肥すると, 翌年の一番茶アミノ酸含量は低下したが, 減肥処理2年後に多肥慣行区と同程度にまで回復した. これは多肥栽培により制限されていたが根圏域が減肥により回復し, 窒素吸収効率が向上したためと推察された.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.64.523