施設園芸 (イチゴ) 従事者の労働負担と食物摂取状況について: 壮年男子と高齢男子の比較
一般に, 施設園芸作目は他の農業作目に比べいたみやすいため, とくに収穫時の作業を機械化することが難しく, その多くを人手に依存している. しかしながら, 各作業の労働強度が比較的軽度1)2)なため, 1日のエネルギー消費量は他の農業作目の場合と大差はない. われわれは, 熊本県A町のイチゴ栽培作業者を対象として調査を続けているが, 1年を通した労働負担を時間配分とエネルギー消費量で評価した3)ところ, いずれも冬から春にかけての収穫期に最も高くなることが明らかとなった. この時期, 早朝から昼前までイチゴの摘みとりが行われ, 引き続いてイチゴの大きさごとにパックに詰めるという単調な手作業が,...
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Veröffentlicht in: | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1995/02/10, Vol.48(1), pp.21-28 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 一般に, 施設園芸作目は他の農業作目に比べいたみやすいため, とくに収穫時の作業を機械化することが難しく, その多くを人手に依存している. しかしながら, 各作業の労働強度が比較的軽度1)2)なため, 1日のエネルギー消費量は他の農業作目の場合と大差はない. われわれは, 熊本県A町のイチゴ栽培作業者を対象として調査を続けているが, 1年を通した労働負担を時間配分とエネルギー消費量で評価した3)ところ, いずれも冬から春にかけての収穫期に最も高くなることが明らかとなった. この時期, 早朝から昼前までイチゴの摘みとりが行われ, 引き続いてイチゴの大きさごとにパックに詰めるという単調な手作業が, 夕方の出荷まで長時間続く. 1日の主作業時間は男子で677-841分, 女子では主作業約480分に加えて家事時間が200分程度で, それぞれ必要な睡眠時間を取ると, 他の活動に費やす時間がほとんどなくなっていた. なお, 1日の推定エネルギー消費量は男子で2,700-3,000kcal, 女子で約2,500kcalであった. 前報3)でも扱ったように, 施設園芸従事者の健康を考える上で問題となるのは, エネルギー消費量の多少ではなく, むしろとくに収穫期にみられる長時間の同一作業姿勢や自由時間のなさである. |
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ISSN: | 0287-3516 1883-2849 |
DOI: | 10.4327/jsnfs.48.21 |