フェルチレリン投与後14日目におけるフェンプロスタレンの投与が乳牛卵胞嚢腫の治癒期間に及ぼす効果

直腸検査によって卵胞嚢腫が疑われた乳牛170頭中88頭(51.8%)が, 乳汁中プロジェステロン値に基づいて卵胞嚢腫と診断された. この88頭中83頭を治療試験に用いた. 83頭中56頭には, まず, 強力な黄体形成ホルモン放出作用を有する酢酸フェルチレリンを100μg筋肉内注射し, その14日後に黄体退行作用と発情誘起作用を有するフェンプロスタレンを1.0mg皮下注射した. 残りの27頭には, フェルチレリン100μgの筋肉内注射のみを行い, これらを対照群とした. フェルチレリン-フェンプロスタレン投与群の方が, 対照群よりも, 治療後100日以内の受胎率が高く(66.1vs48.1%),...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Journal of Veterinary Medical Science 1993/04/15, Vol.55(2), pp.207-210
Hauptverfasser: 中尾, 敏彦, 原田, 篤, 木村, 真, 高木, 英守, 金子, 一幸, 杉山, 定寛, 斉藤, 昭彦, 森好, 政晴, 河田, 啓一郎
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:直腸検査によって卵胞嚢腫が疑われた乳牛170頭中88頭(51.8%)が, 乳汁中プロジェステロン値に基づいて卵胞嚢腫と診断された. この88頭中83頭を治療試験に用いた. 83頭中56頭には, まず, 強力な黄体形成ホルモン放出作用を有する酢酸フェルチレリンを100μg筋肉内注射し, その14日後に黄体退行作用と発情誘起作用を有するフェンプロスタレンを1.0mg皮下注射した. 残りの27頭には, フェルチレリン100μgの筋肉内注射のみを行い, これらを対照群とした. フェルチレリン-フェンプロスタレン投与群の方が, 対照群よりも, 治療後100日以内の受胎率が高く(66.1vs48.1%), 治療開始から受胎までの平均日数も短かかった(30±21vs43±27日). したがって, フェリチレリン投与後にフェンプロスタレンを投与することは, 牛の卵胞嚢腫黄体化後の正常発情の発現と交配時期を早め, 治癒期間短縮に有効であり, 臨床的にも推奨される.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.55.207