X線回折, 電子線回折による Silk I型構造の解析

絹フィブロインの酵素分解により得た結晶性分画試料, およびフィブロインのモデル化合物である poly (L-Ala-Gly) を透析法により調整して得た Silk I型結晶のX線回折, 電子線回折を行った。その結果, これまで結晶性分画試料 (Fcplx) と poly (L-Ala-Gly) の単位格子については異なったb軸の長さが提案されていたが, 本研究により両者は本質的に同一の単位格子であり, 同様の結晶構造をしていることがわかった。また, I型結晶は配向させるのが難しいため, これまで反射の指数付けにはかなり不明確な点があったが, 試料を傾斜させた電子線回折と配向試料からのX線回折の...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 1988/02/28, Vol.57(1), pp.23-30
Hauptverfasser: 奥山, 健二, 高梨, 克弘, 中島, 靖, 長谷川, 佳子, 平林, 潔, 西, 則雄
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:絹フィブロインの酵素分解により得た結晶性分画試料, およびフィブロインのモデル化合物である poly (L-Ala-Gly) を透析法により調整して得た Silk I型結晶のX線回折, 電子線回折を行った。その結果, これまで結晶性分画試料 (Fcplx) と poly (L-Ala-Gly) の単位格子については異なったb軸の長さが提案されていたが, 本研究により両者は本質的に同一の単位格子であり, 同様の結晶構造をしていることがわかった。また, I型結晶は配向させるのが難しいため, これまで反射の指数付けにはかなり不明確な点があったが, 試料を傾斜させた電子線回折と配向試料からのX線回折の併用により, 従来の報告よりも精度よく指数付けが出来た。特に, これまで曖昧であったc軸の長さが本研究では正確に得られた。(a=4.65, b=14.24, c=8.88Å, α=β=γ=90.0) 格子中には2本の分子鎖が入っており, L-Ala-Glyを1単位として2単位で1回転する2/1-helix を形成している。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.57.23