先天性感染が疑われた哺乳豚のトキソプラズマ病

1986年6月, 繁殖豚7頭を飼養する養豚場で食欲不振を呈していた母豚が4頭の死産子を含む11頭の子豚を分娩した. 正常産子7頭のうち3頭は生後まもなく元気消失, 削痩, 歩様瞼踉等を呈し, 15日齢までに死亡した. 死亡子豚3頭の剖検では, 肺, 肝臓, 腎臓, 各リンパ節に暗赤色斑および白斑が認められ病理組織学的には, 非化膿性脳炎, 漿液性カタル性肺炎, 肝臓および各リンパ節に顕著な壊死が認められた. 肺, 肝臓, 各リンパ節等のギムザ染色塗抹標本でトキソプラズマ原虫 (Toxoplasma gomdii) が認められた. また, 酵素抗体法 (Avidin biotin complex...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 1988/04/20, Vol.41(4), pp.251-254
Hauptverfasser: 熊谷, 清孝, 嵯峨, 裕, 高橋, 幸男, 志村, 統, 畠山, 直一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1986年6月, 繁殖豚7頭を飼養する養豚場で食欲不振を呈していた母豚が4頭の死産子を含む11頭の子豚を分娩した. 正常産子7頭のうち3頭は生後まもなく元気消失, 削痩, 歩様瞼踉等を呈し, 15日齢までに死亡した. 死亡子豚3頭の剖検では, 肺, 肝臓, 腎臓, 各リンパ節に暗赤色斑および白斑が認められ病理組織学的には, 非化膿性脳炎, 漿液性カタル性肺炎, 肝臓および各リンパ節に顕著な壊死が認められた. 肺, 肝臓, 各リンパ節等のギムザ染色塗抹標本でトキソプラズマ原虫 (Toxoplasma gomdii) が認められた. また, 酵素抗体法 (Avidin biotin complex法, ABC法) により, 脳, 肺および肝臓のパラフィン包埋切片でトキソプラズマ原虫とターミナルコロニーの存在が確認された. トキソプラズマ抗体検査で母豚は1, 024倍という高い抗体価が認められた. これらのことから, 先天性感染が推察された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.41.251