カイコの細胞質多角体病ウイルスの微細構造について

50%庶糖クッション法により精製したCPVをネガティブ染色し,電子顕微鏡による観察を行い,以下の事実が判明した。 多角体由来のCPVおよびfree CPVのいずれにも,突起先端部に直径約12nmの球形粒子(SP)が付着しており,何れも同一の大きさと形態を示した。新鮮標品からの電顕像では,大部分のCPV粒子に2∼3個のSPが付着していたが,中には6個のSPを持つCPV粒子も観察された。これらのSPは,フルオロカーボン,エーテル,DOC,トリプシンによる処理を行っても,付着数に差は認められなかった。 SPを含むと考えられる共重合体が観察され,ある場合には,その先端粒子はSPと同様にCPV粒子の突起...

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Veröffentlicht in:Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1975/09/25, Vol.19(3), pp.133-138
Hauptverfasser: 川本, 文彦, 川瀬, 茂実, 浅井, 淳平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:50%庶糖クッション法により精製したCPVをネガティブ染色し,電子顕微鏡による観察を行い,以下の事実が判明した。 多角体由来のCPVおよびfree CPVのいずれにも,突起先端部に直径約12nmの球形粒子(SP)が付着しており,何れも同一の大きさと形態を示した。新鮮標品からの電顕像では,大部分のCPV粒子に2∼3個のSPが付着していたが,中には6個のSPを持つCPV粒子も観察された。これらのSPは,フルオロカーボン,エーテル,DOC,トリプシンによる処理を行っても,付着数に差は認められなかった。 SPを含むと考えられる共重合体が観察され,ある場合には,その先端粒子はSPと同様にCPV粒子の突起先端部に結合していた。この共重合体はSPを含む3種類の構成成分からなるhexamerあるいはそれ以上のcopolymerと考えられた。
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.19.133