トリ-n-オクチルホスフィンオキサイド分離,ピロカテコールバイオレット-アニリン吸光光度法による鉄鋼中ジルコニウム定量

鋼中微量ジルコニウム定量法として,試料を分解後硝酸溶液(7N)とし,トリ-n-オクチルホスフィンオキサイドのトルエン溶液でジルコニウムを抽出し,その有機相にピロカテコールバイオレットとアニリンを加えて吸光度を測る方法を開発した.有機溶媒による抽出と,抽出後の有機相を洗浄することとにより, 10%以上のタングステンが存在するとき,わずかに吸光度が減少する以外は鋼中に存在する他の元素の影響を受けることがなく,特に従来の方法では種々問題のあった含ニオブ鋼のジルコニウムも容易に定量できた.本法では0~24μg Zr/25mlの範囲でベールの法則に従い,分子吸光係数5.00×104で,同じ試薬の水溶液の...

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Veröffentlicht in:Bunseki kagaku 1970/09/05, Vol.19(9), pp.1163-1168
Hauptverfasser: 梶山, 緑郎, 瀬沼, 一彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:鋼中微量ジルコニウム定量法として,試料を分解後硝酸溶液(7N)とし,トリ-n-オクチルホスフィンオキサイドのトルエン溶液でジルコニウムを抽出し,その有機相にピロカテコールバイオレットとアニリンを加えて吸光度を測る方法を開発した.有機溶媒による抽出と,抽出後の有機相を洗浄することとにより, 10%以上のタングステンが存在するとき,わずかに吸光度が減少する以外は鋼中に存在する他の元素の影響を受けることがなく,特に従来の方法では種々問題のあった含ニオブ鋼のジルコニウムも容易に定量できた.本法では0~24μg Zr/25mlの範囲でベールの法則に従い,分子吸光係数5.00×104で,同じ試薬の水溶液の場合に比べて高感度であった.また類似のシクロヘキサンとピリジンを用いる溶媒抽出法に比べて,抽出が迅速で悪臭がなく,実用性においてすぐれている.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.19.1163